装光妖精ルクスルナ4話 氷炎のシェイ
望月優は今日キスをした。誰と? 日之宮あさひとだ。
何度も何度もその光景が脳内でリピートされる。
それほどまでに望月優によって、大切な想い人からの口づけは意味を持つ行為だった。
「夢……じゃないですね」
優は古典的に自分の頬を引っ張ってみる。ちゃんと痛い。
「私は、あさひと……」
しかも、優の方からでなく、あさひの方からの口づけだ。これはもしかしてもしかするんじゃないか。
浮かれる優に、水が差した。
「……」
静かな怒りを込めて優は唱える。
「装光」
望月優という普通の少女から、悪を斬る正義の戦士・装光妖精ルクスルナへと変わるために。
そして光の粒子が衣装に変わったセーラー服コスチュームを纏い、望月優、装光妖精ルクスルナは邪悪な敵・ライフマテリアへと向かった。
「シェイ。私、結構いい気分だったんですけど」
「……」
星も、月さえも見えない夜の公園。
いつも通りにライフマテリアの白い少女・シェイがいた。
普段と変わっていることは、彼女が使役するような他のライフマテリアの姿が見当たらないこと。
「ルナ、他の女のにおいがする」
「えっ……」
普段は抑揚の少ないシェイの声には、かすかに怒りが混じっているように思えた。
そしてシェイは、怒りのままに叫んだ。
「ルナはシェイのものなの!」
「っ!?」
シェイが叫ぶと同時に、闇の空に氷の塊が浮かぶ。それはターゲットをルクスルナに定め、急速な落下を始めた。
「くぅっ!」
ルクスルナは腰の鞘にある柄を引き抜いて抜刀。その勢いのままに青白い光の剣で氷塊を裂いた。
「散って!」
「なっ!?」
斬られた氷塊が雪となって降り注ぐ。
その雪は、ルクスルナにも、シェイにも平等に降り注いだ。
「集まって!」
「うぁっ!?」
シェイの叫びに呼応して、雪は再び氷を形づくる。
そしてその氷塊はルクスルナを封じ込める檻と化した。
「うご……けない……」
「動かなくていいの。ルナはシェイのお人形さんなの」
「なにを勝手に……」
氷で状態を固められたルクスルナに、ゆっくりとシェイが歩む。
シェイはその際に、手のひらの上で炎を宿した。
(炎?)
氷の攻撃に、氷を溶かしそうな炎という組み合わせ。
相性が悪いようにルクスルナは思った。
「ルナ、喘いで」
シェイは宿した炎を、ルクスルナの胸、乳首の部分に押し当てた。
「ひゃふぅぅぅ!?」
本来炎から連想される、焼けるような熱さはなかった。
代わりにルクスルナに去来したのは、何度もライフマテリアに味わされてきた官能的な熱。
「ルナはシェイにいじめられて、ずっと気持ちよくなるの」
「ひぅぅぅぅぅ!!」
シェイは両手に炎を宿し、官能的な熱でルクスルナの胸にある2つの果実を炙った。
冷たい氷の檻で固定された身体の中で、性感の熱は激しく燃える。
相反する2つの感覚はルクスルナに混乱をもたらす。
「くぅ……なんですか、この感覚……!」
「考えなくていい。シェイが、”気持ちいい”だけ教えてあげる」
「そんなの、教えてもらわなくてけっこ……ひあううううう!」
炎が股間に当てられた。
官能をもたらす業火が、ルクスルナの割れ目を、陰核を包み込む。
焼けるような熱にさらされて、快感から漏れ出た愛液が蒸発していく。
「もっと」
「ひぃぃぃぃぃぃ!?」
ぼぅっ、と炎の勢いが増した。
それは今までシェイが熱量を抑えていた事実と、快感がこれから膨れ上がるというアラートを示す。
既に陰核は悲鳴をあげて尿を漏らして、それさえも快楽の熱に溶かされ蒸発していく。
ピキピキピキ。
炎によって溶かされた氷が、また範囲を広げる。
炎が氷を溶かすなら、氷は溶かされた傍から固まればいい。
ルクスルナは凍らされ固められたまま快楽の炎に炙られ続けるのだ。
「いい顔になってきた。やっぱりルナは、気持ちよくなってる顔が1番可愛い」
シェイの指が、人差し指から薬指までで、ひとつの塊を作りあげる。
快感の炎を纏ったままのそれは、ルクスルナの割れ目の中、膣内へと扉をこじあけ侵入した。
「あぐああああああああああああ!?」
内側から、ルクスルナの性感を激しく炙る、快楽の炎。
絶えず氷で固められ、冷やされながら、高ぶったルクスルナの身体は蒸気さえ出していた。
さらにシェイの炎を纏った指が膣内の敏感な部分を探し当て、強くたたいた。
「あああああ!! らめぇぇぇぇ!!」
直接的な刺激と、快楽炎が無理矢理引き出す性の激感。
ルクスルナは舌を突き出し、涙をこぼしながら嬌声をあげた。
「ああああ、くる、きてりゅ、わたひ、炎に焼かれて、イく、イきゅぅぅぅぅ!!」
ぷしゃああああ、と激しい潮が撒き散らされる。じょろろろろと、黄金水が漏れる。
それら全てが快楽の炎がもたらす熱によって蒸発していく。
恥ずかしい液体が溶けた空気がルクスルナを包んでいた。
快楽に押し出されて突き出した舌はそんな恥液空気に晒されていた。
「もっと、もっと!」
「これいじょう……!? まって、やめて!」
ルクスルナの懇願は、興奮したシェイには聞き届けられることはない。
炎は勢いをあげて、ルクスルナの全身を包んだ。
「ひゃひぃいぃぃぃぃぃ!! ぜんぶやかれて、イぐ、イぐぅぅぅ! とまらにゃいいいい!!」
乳首や股間だけでも舌を突き出し、イキ潮や小便を漏らしていたのだ。
身体全体に行き渡る炎など、耐えられるはずもない。
「ひっぎぃぃぃぃぃ!! 胸も、あそこも、イぐぅぅぅ! ぜんぶイぐぅぅぅぅぅ!!」
胸がイった。股間がイった。心臓でもイった。とにかく全身でイった。
そんな感覚が妖精を包む。
快楽の業火は、ルクスルナという少女の全身の性感を火炙りにしてぐずぐずに溶かしていく。
「これ、たえるの、むりぃぃぃ!! あぁあああ! イぐのとまらなぐでぇぇ!! だずげでぇぇぇ! ゆるじで、どめでぇぇぇ!!」
「その顔! ルナとっても可愛い!」
涙と鼻水、汗と涎。全部溶けた。愛液も黄金水も垂れ流してるはずなのに出した傍から溶けていく。
それほどまでに激しい炎という名の快楽は、ルクスルナという少女個人の性感を激しく燃やし尽くす。
ルクスルナに許されるのは慈悲を請い、許しを求めること。
それが決して受け入れられることはないとしても。
「ひゃああああああ!! もえるぅぅぅぅ! あづぃぃぃぃぃぃ!! あづぐでイぐぅぅぅ! あそこも、胸も、ぜんぶでイっぢゃうううう!!」
潤んだ瞳と突き出した舌。だらしないイキ顔。
暴れたいのに溶かされた傍から固まる氷に固定される身体。
相反する2つによって、ルクスルナは氷漬けと火炙り、2つの拷問を受けていた。
そして。
「ひぎゃああああああああああああああ!!」
ひと際甲高い悲鳴のような嬌声をあげて、ルクスルナは口の端から泡さえ噴いて絶頂した。
その絶頂を境に、ふっとルクスルナの瞳から生気が失われていく。
ついには正義の妖精は全身を炙る快楽という名の業火に耐えられず意識を失ってしまったのだ。
「……」
ルクスルナが沈黙したことを確認したシェイは、そっと炎の方を止めた。
そして今まで固めた傍から溶かされてきた氷が、瞬く間に妖精の身体全体に行き渡った。
敗北の妖精の氷像を、シェイは自身とともに魔法陣へと招きこみ、その場から消えた。
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