装光妖精ルクスルナ2話 屋敷の操り糸

  朝に、優の大切な想い人・日之宮あさひが変身する装光妖精ソルライトとライフマテリアの戦闘があった。

 ソルライトは身体を苛め抜かれ、危機的状況に陥ったものの、駆け付けた優を見て力を振り絞り勝利を収めた。


「はぁぁぁ」


 優は、机で頭を抱えていた。

 とっさに飛び出したものの、優は月が出ていない間は変身ができない。

 結果的にはソルライトの覚醒を促したものの、軽率だったのではないかと反省していた。


「……!」


 気配が優を叩いた。邪悪な敵・ライフマテリアが出現したのだ。

 反省会もさせてくれないのかと、優は少し苛立ちつつも窓を開けて唱えた。


「装光」


 そのワードとともに優はライフマテリアを討つ戦士、装光妖精ルクスルナに変身する。

 そして、ルクスルナは邪悪の気配へ向かい、夜を駆けた。


「ここは、お屋敷?」


 ルクスルナがたどり着いたのは山奥にある、もう誰もすんでいない廃屋敷だった。

 作りは立派で、天井は見上げるほど遥か上。

 ギギィと、入り口の扉が誰の力を受けるでもなく開いた。

 あけ放たれた門はルクスルナを誘っているようでもあった。


 お屋敷の内装は左右にらせん状になった階段、奥に左右で直角にわかれた階段があり、天井には灯りのつかなくなったシャンデリアが垂れ下がっている。屋敷の広間や通路にはいくつかの芸術品がおかれていた。

 中央には、白いライフマテリアの少女・シェイがいた。


「こんばんは、ルナ。遊ぼ」

「そんな暇はないです。すぐ終わらせます」

「でも、ルナがこの遊びに勝たないと、月も星も帰ってこないよ?」

「……その遊びというのは?」

「ものわかりのいいルナ、好き。このお屋敷のどこかにライフマテリアのお友達がいるから探してみて」

「結局、いつも通りってことですね」

「そうかもね」


 はぁ、と優がため息をついて、隠れたライフマテリアを探すかくれんぼが始まった。


(どこに……)

 もわもわもわ。

 ルクスルナが隠れている敵を探し始めると、怪しい薄い紫色の煙があたりにたちこめはじめた。


「これは……!?」

「タイムリミットだよ。その煙は女の子をだんだん気持ちよくするの。でも、吸いすぎちゃうと気持ちよすぎて動けなくなっちゃう」

「あなたたちは、そういうのばっかりです」


 ルクスルナはひとまず煙は気にせずかくれんぼの鬼を続ける。

 手始めに、青い光放つ剣で、一番近くにあった石像を斬った。

 石像の上半身が斜めになった下半身との分け目をすべり、床に落ちる。


「ふふ。はずれ」

「……」


 ならば、次だ。

 要はかたっぱしから全部斬ってしまえばいいのだ。

 その思考が罠だということにルクスルナは気づけなかった。



 何個かの芸術品を破壊した。まだ、敵は見えない。

 紫の煙の効果か、身体が火照って、息も乱れてきた。

 早くおわらせなければ。焦るルクスルナを、違和感が襲った。


「?」


 なにかが身体に絡みついている気がした。

 ふと、優の手が自身の胸に向かった。


「えっ?」


 それは優の意思ではない。

 腕が勝手に平らな胸に向かったのだ。

 さらに優の指先は平野に生えたぽっちをつまみあげた。


「くふぅっ!?」


 主に反した動きをとる指先によって与えられた性感が、煙で敏感になった身体をびくんっと跳ねさせた。

 こりこり、こりこり。

 指の動きは止まらない。


「ふぅぅ、はぅぅ!」


 唇をかみしめて声を押し殺そうとしても、甘く切ない息が漏れた。

 さらにもう片方の腕も責めに参戦し、微妙に違うタイミングで2つの乳首をいじめた。

 

「あぅ、はぅ、うぅぅ」

「乳首オナニー、気持ちよさそう」


 シェイの言う通り、ルクスルナの様子ははたから見れば自慰行為だ。

 もちろん、そんな行為はルクスルナは自らの”意思”ではしたことがない。

 今、身体が初めて行っている行為だ。

 快感に悶えながら、細めた目でルクスルナは見た。

 自身の身体に無数の糸がくくられているのを。


「これ、まさかっ、はぅぅぅ!」


 身体が糸によって操られている。そう気づいた瞬間にぽっちをにぎる指先は摘まむ力をぎゅっと強めて、ルクスルナを絶頂へと導いた。


「なんとか、はぅ、しないとぉ……」


 また、腕の動きに変化があった。

 右腕が股間に向かったのだ。


「あぅ、まさか……」


 ルクスルナが恐れた通り、右腕は黒のショーツを自らずらして女の子の割れ目を露わにした。

 グローブに包まれた人差し指と中指で構成された2本指が、己が主の秘裂に向かう。

 そして。


「はぐぅぅぅぅ!!」


 自由を奪われたルクスルナの身体が、膣奥へと自らの指を押し込んだ。

 とっ、とっ、とっ。

 少女の聖域に侵入した妖精の指は、小刻みに揺れて、ルクスルナが気持ちよくなる場所を軽めに叩く。

 

「あっ……あっ、ああっ……」


 優しい指使いに反して、始めはまだ穏やかだった快感の波が次第に勢いを増してよく。

 水面に落ちる水滴がもたらす波紋。

 そのイメージの水滴が、他の水滴を吸って雫としての大きさを増していく。

 ぽたり、ぽたりと雫が重くなるにつれ、広がる波紋もまた強いものになる。

 そんな性感の高まりがルクスルナを追い詰めた。

 そして。


「~~~~~~っ!!」


 静かに、しかし重い快感がルクスルナの中ではじけた。

 ぷしゃぁぁと、夥しい量の少女の愛液が、屋敷の床のカーペットにしみを残した。

 

「はっ。はっ、あぅ……ぅ?」


 重い波の余波で身体もまた、そのこわばりをほぐされて、解いてはいけない緊張までもがどこかに行ってしまった。

 ちょろ、ちょろろろろ。

 閉じることを忘れた尿意が、少女の身体に溜まった黄金水を外へと押し出した。



 ぎゅっ。


「はぁぁぁぅう!?」


 絶頂と放尿の余韻に肩を震わせるルクスルナを不意に電流のような刺激が叩いた。

 気づけばルクスルナを操っていたは乳首や、乙女の牝突起にもくくりつけられて、それをぎゅっと上に向かってひっぱっていた。

 腕にまとわりつく糸の直接的な操作。そして3つ豆を掌握することにより、ルクスルナは性感タイミングさえも操られていた。


「ルナ、とっても素敵」

「はぅぅぅん!」


 恍惚とした表情でルクスルナの痴態を見つめるシェイに向き直る思考の暇さえ与えられない。

 糸により直接乳首をいじくるよう必要のなくなった腕は、下腹部に集中し、片腕が割れ目の端の肉を開いて広げた。

 そして、さきほど乙女の中を蹂躙した指は薬指も加えて3本になり、凶器度を増していた。


「まっ、そんなのやめっ、ひぎぃぃぃ!」


 指一本分の太さを追加された自身の身体が暴力的な刺激をもってピンクの衝撃を脳裏に浮かばせる。

 ルクスルナがたまらず舌を突き出し、喉を反らせたタイミングで3つ豆に絡んだ糸がきゅっ、と身を細めた。


「ひゃひぃぃぃぃぃ!」


 操り人形と化した自慰妖精は絶頂のタイミングさえ魔の糸のコントロールに置かれていた。


「あっ、らめっ、らめぇ、これ、らめぇ!」


 もはやライフマテリアを探すどころではなかった。

 ただ与えられる快楽から逃れることもできず、喘ぎ続けるお人形。それが今のルクスルナだった。

 また快感の波が音を立てて昂ぶりを伝える。一度隙をみせてしまえばまた淫靡の糸によって激しい性感を与えられてしまうことをルクスルナも理解していた。

 ただ、理解していることとそれに抵抗できるかは別の話。今のルクスルナにできることといえば流される喘ぎ声をあげ懇願することくらいだった。


「まら、重いのくる、やらっ、あれ、こわいの、やえてぇ」


 玩具の懇願など聞く耳持たない。そう答えるかのように、糸はまた自身と繋がった妖精の快感点を締め上げた。


「ひああああああ!!」


 また潮と尿が勢いよく床に向かってぶちまけられる。

 絶頂の叫びと酸素の足りなくなった口はぱくぱくと開閉を繰り返し、視界はちかちかとスパークする。

 のけ反ったままあげられた顎は、不意にガクンと下がった。

 意識のブレーカーが落ちたルクスルナの頭が床に向かって垂れた。

 絡みついた操り糸は、ルクスルナが膝をつくころさえ許さない。

 ガクガクと震える膝はただ魔の糸によって支えられているだけだ。

 もし支えがなくなればルクスルナの身体はそのまま倒れこみ、自身が漏らした液体でできた水たまりにキスをするだろう。


(もう……ダメなんですか……?)


 走馬灯がルクスルナのまぶたを駆ける。

 その中にひと際輝く記憶。

 それは日之宮あさひの笑顔だった。


「っ!」


 はっ、と失っていた意識をルクスルナが取り戻した。

 そしてそのまま、操り糸ごと力任せに宙を飛ぶ。

 光剣が、頭上のシャンデリラ、そこに隠れていたデッサン人形のようなライフマテリアを斬った。


「正解」


 シェイはつまらなそうにつぶやくと魔法陣を発生させて消えた。

 かくれんぼの”鬼”にタッチし、床に着地したルクスルナは息を整えてから屋敷をあとにした。

 入り口の扉を開いて見えた空には、確かに星と月が輝いていた。

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