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バーチャルゲーム 終 アクメメール

 「ふふ、よくぞここまで来た装光妖精に降神姫」  どこからともなく男性の声。 「誰よあんた!」 「しょーたいをあらわせー」 「すごい、息ぴったり」 「私たちもああいう掛け合いした方がいいんでしょうか?」 「私はこの先にいる。この世界の”ラストボス”としてね」  男性の声が言い終わると、4人の少女たちの前の扉が開いた。  覚悟を決めて、彼女たちはその扉の先へと進む。 「なっ!?」 「みなもちゃんも……これにはおどろき……」 「大きい……」 「さすがに、”ラストボス”なんていうだけはありますね……」  4人の変身少女たちが見たのは、その空間一面に樹木のように根を張る電気コードの下半身、同じく電気コードで構成された人間の上半身といった姿だった。 (アグニ)(ティア)  降神姫たちはそれぞれパートナーの神の人格を呼び、心を通わせその力を強める。  人神一心形態だ。  装光妖精たちは、密かにキスをして、それぞれ太陽と月の力を交わらせて互いの力を得る。  ソルライトのエクリプスモード、ルクスルナのイクリプスモード。  それぞれの変身少女たちは、自身の持つ最大の強化形態で”ラストボス”との戦闘を開始した。 「せやぁ!!」 「たぁぁ!!」  第一陣の降神姫アグニとソルライトが槍と拳を叩きこめば”ラストボス”の巨体が揺らぐ。 「とりゃあ」 「はぁっ!」  降神姫ティアが電気コードでできた腕を破壊し、ルクスルナが根本から斬り落とす。 「ぐぅ……! これがきみたちの力!」  苦し気なさきほどの男性の声。  どうやらあの男性の意識はこの”ラストボス”そのもののようだ。 「観念しなさい!」 「いいや、そうするのは、キミたちの方だ」  不敵な言動を”ラストボス”が告げると、突如鳴り響くシステム音。 「メッセージを受信しました」 「え」  変身少女たち全員が、無限にも思える一瞬の間を体感した。  そして、その無限を経て少女たちの身体は理解する。  屈服せざるを得ないほどの快楽を与えられたのだと。 「ひっぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「あぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「あぎゃあああああああああ!!!」 「はぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」  変身少女たちの電脳体に刻まれる、快楽データを添付されたあり得ない件数のメール。  それらはこの空間のパトロンから送られてきたものであり、変身少女たちの...

バーチャルゲーム3 石蛇

  最も先行するのはソルライト。  そんなソルライトの前にも敵が現れる。  姿は巨大な蛇。 「どこかで見たような……」  ソルライトは既視感を覚えながら、拳を構える。 「きしゃああ!!」  巨大蛇が襲い掛かった。 「てやぁぁぁぁ!!」  シンプルな右ストレートが、巨大蛇の頭を射抜く。 「ぎぃぃぃぃぃぃ!」  手甲による一撃は、かなりのダメージを巨大蛇に与えているようだ。 「そこ!」  今度はかかと落としの体勢に入るソルライト。  振り下ろされた金属ブーツのかかとが、巨大蛇に突き刺さる。 「ぎゃぎいいいい!」  たまらず巨大蛇が後ろに頭を向けて、逃走を開始する。 「逃がさないよ!」  蛇を追うソルライト。  しかしそれは巨大蛇の罠だった。 「しゃああ!」  巨大蛇の口から、液体が勢いよく噴射される。 「うわっ!?」  ソルライトはそれを右手の手甲で受け止める。  すると、瞬く間に手甲が石とかして固まった。 「そんな、石にする毒!?」 「ぎしゃあ!!」 「うわぁぁぁ!!」  さらに範囲を増した石化液が、ソルライトに降りかかる。 「う、動けない……あぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」  手足を固められて身動きができないソルライトに蛇がまきつき、そして首筋にかみついた。  蛇の牙にも毒は含まれていた。  それも液体と同じ石化毒だ。 「だ、ダメ。わたし、石になっちゃう……」  徐々に浸食していく石化にソルライトの心を恐怖が蝕む。  そこへ。 「させるかぁぁぁぁ!」  ソルライトの身体に巻き付く蛇の頭に、槍の一閃。  はなびの槍が、ソルライトは傷つけず蛇だけを退けた。 「アグニさん!」  そして、元となる蛇が倒れたことで、ソルライトの石化も解除され、その身は拘束から解き放たれた。 「ありがとうございます! アグニさん!」 「さっきこっちも助けてもらったしね。お互い様ってやつよ」 「でも、ありがとうございます!」 「うっ、相変わらずまぶしい。っと」 「はなび、ソルー」 「ソル、アグニさん!」  キラキラしたソルライトに気圧されるはなびという構図に、無表情組のルクスルナとみなもも合流。  4人は先を急いだ。

バーチャルゲーム2 マンドラゴラきのこ

  和気あいあいとした挨拶を済ませた降神姫と装光妖精たちだが、降神姫たちは先ほどのダメージが抜けきっていない。  装光妖精たちが先行し、降神姫たちが回復次第合流に向かうというてはずになった。 「アグニさんとティアさん、かっこよかったねー」 「ええ。でも一番かっこいいのはソルですよ」 「え、あはは。照れるなぁ……と! ルナ、敵さんみたい!」 「ここは私が相手します。ソルは先へ」 「うん、わかった気を付けて!」  立ちふさがったのはきのこのような敵。  あまり強そうには見えず、ルクスルナは単体で対処を試みることにした。  そして、ルクスルナがきのこ型の注意を引くと、ソルライトはその間をすり抜けて先へと進む。 「私も、頑張ります」  ルナの武器は月のエネルギーを集めた青白い光の剣。  その剣がきのこ型の敵を、次々斬り捨てていく。 (こんなに弱いはずがありません。なにか変なことを仕掛けてくるはず)  ここのきのこより、入り口にいた暗雲の方がよっぽど手ごわそうな相手だった。  先に入ったのが降神姫たちでなく自分たちだったなら立場は逆だったかもしれない。  しかし奥のエリアにいるきのこがこれで終わるはずがない。  そんなルクスルナの予想はあたっていた。  ただしそれが回避できるものとは限らないが。  ばっくりと、きのこの一部分が裂けて、それは”叫んだ”。 「ぎゃあああああああ!!」 「うああああああああああ!?」  その叫びはルクスルナの鼓膜に響き、官能を直接その身に叩きこむ。  びくりとのけ反る体。  さらにそこに、ばふんときのこの胞子が襲い来る。 「かひぃぃぃぃぃぃ!!」  媚薬効果のある胞子を鼻や口から吸いこんで、さらに感じてしまうルクスルナ。  きのこはばふんばふんとさらに媚薬毒花粉をルクスルナへと流し込む。 「んきゅぅぅぅぅぅ!!」  ついに、官能の衝撃に耐えきれず膝をついてしまうルクスルナ。  それでもきのこの攻撃は留まらない。  絶叫が、胞子がルクスルナを責め立てる。 「んひあああああああああああ!!」 「小さい子、いじめちゃ、めっ」  舌を突き出して絶頂するしかないルクスルナへの助け舟。  それはさきほど自分が救った降神姫ティア。  ティアのハンマーがきのこの敵を吹き飛ばした。 「ん、立てる?」  今度はみなもがルクスルナに手を差し伸べる。 「はっ、はぁ...

バーチャルゲーム1 雲

  火屋はなびと新海みなもの元にそれぞれ届いた招待状。 「VR空間ゲームのテスター? 怪しいなぁ」 「あれ、裏になにか書いてある……。はなび、これって……」  みなもがはなびに見せた文面。 ”私は君たちの正体を知っている” 「はぁ、まだまだ戦いは続くってことね」 「もうちょっとだけ続くんじゃよ」 「ほんとにもうちょっとにして欲しい」  愚痴を漏らしつつ、はなびとみなもは指定の場所に向かった。  厳かな研究所。  その中にある巨大な一室。 「そのカプセルの中に入りたまえ」  アナウンスの声が、円柱状のカプセルに入ることを促す。  はなびとみなもは顔を見合わせるが、誘いに乗ることにした。  アナウンス通り、カプセルに入り込む。  そして、その瞬間、視界が変わった。  今まで機械的な研究所にいたが、上を見上げれば上空を覆う暗雲。  地面は、草生い茂る原っぱだ。 「アグニ!」 「ティア!」  はなびとみなもがパートナーの神を呼ぶと、彼女たちは神を降ろして戦う降神姫へと変身する。  カラーリングが赤と青で異なるデザインは共通のボディスーツ、ジャケット、グローブ、ブーツがその身に纏われて、はなびは槍を、みなもはハンマーをそれぞれ武器として握った。 「さぁて、どっからでもかかってきなさい」 「けんかじょーとー?」  敵の出現に身構えるはなびとみなもだが、一向に敵はやってこない。 「あれ?」 「おるす?」  しかしその認識は誤りだった。  なぜなら敵はすでにこの場にいるのだから。  ざぁぁぁぁぁと、暗雲から激しい雨が降神姫たちを襲う。 「くっふぅぅぅぅぅぅ!?」 「あうううううううう!?」  その雨は、媚薬効果を持つ雨。  そう、上空にいる暗雲自体が敵なのだ。 「こ、こんな……あううう!」 「こんな広いこうげきっ、よけられない、はうううう!!」  媚薬雨にまみれて反撃すらおぼつかない降神姫。  さらに暗雲の攻撃は終わらない。  ぴしゃんと雷がはなびとみなもを叩いた。 「ひっぎぃぃぃぃぃぃぃ!」 「あぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!」  媚薬雨で濡れた体に雷の電気が帯電する。  膝をつき、うずくまってしまった降神姫たちにトドメを刺すべく、暗雲が雷エネルギーをチャージしようとした時だった。 「ソルブレイバー!」 「ルナブレード!」  激しいオレンジと青の光が上空の暗雲を吹き飛ばす。  あと...

降神姫16話(本編最終話) ウロボロス(2回目)

 「やめなさい!」  ぱちん、とウロボロスがまた指を鳴らす。  そうすると、アグニとティアの意識が本来の体の持ち主、はなびとみなもへと入れ替わる。 「ウロボロス……」 「むぅ……」 「きみたちも頑張ったからね。快感という絶望の中で死なせてあげるさ」 「誰が、ひぐぅぅぅ!?」 「はなび! ひあああああ!?」  ウロボロスがはなびとみなものお腹に手をかざす。  そのすぐ後で、ぽぅ、とピンク色のハートのような紋様が二人のお腹に浮かびあがった。 「神の愛撫、人間の身で受けられること光栄に思うといいよ」  ウロボロスの手から爪の武装が解除される。  それは、言葉通り降神姫たちを愛撫するため。 「火の依り代は、ここか」 「ひっああああああああ!!?」  ぐちゅりと股間の割れ目に入ったウロボロスの指がはなびのGスポットを的確に叩いた。  探りすら入れていないのに、まるで初めから知っていたかのように刺激されてはなびの体は大きく跳ねた。 「水の依り代はここ」 「あううううううう!!」  みなもの体もびくびくと跳ねる。  ウロボロスは神格を使い、本来はただの少女でしかないはなびとみなもの性的弱点を瞬時に見抜いていたのだ。  そして、先ほど刻まれた紋様は対象の性感を高めるもの。  はなびとみなもは、ある種、ウロボロスという神に捧げられる性の供物と化していた。 「イき潮をちらせ」 「く……ふ……」 「ひ……あ」 「ああああああああああああ!?」  ウロボロスが命じると、はなびとみなもの体はそれに従うかのように大量の絶頂汁をぶちまける。  事実、従ったのだ。  神格が人間に本気で命じれば、その身を従わせることなど簡単だった。 「小水を漏らせ」 「や、め……」 「や、だめ……」  しょろろろろろ。  また、身体がウロボロスの命令に従った。  はなびとみなもの股間から、ウロボロスの言葉通りに黄金水が滴り落ちる。 「絶頂しろ」 「ひぐぅぅぅぅぅぅ!!」 「あぐぅぅぅぅぅぅ!!」  身体が跳ねた。あっけなくイかされた。 「絶頂しろ」 「ひぎぃぃぃぃぃぃ!!」 「あぎぃぃぃぃぃぃ!!」  余韻が収まらずともイった。体がガクガクと痙攣した。 「絶頂しろ」 「やめでぇぇぇぇ!!」 「ゆるじでぇぇぇ!!」  懇願は意味を為さない。イき潮がまたあたりに散らばった。 「絶頂しろ。絶頂しろ。絶頂しろ」 「...

降神姫アグニ15話 髪の長い人形

 「うふふ、おねーさんがた、あーそびましょー」 「ぬっ!?」 「誰!?」  降神姫たちが振り返った先には長い黒髪の少女。 「私? 私は人形の魔物。でも可愛くないから秋音がいいかな」  秋音と名乗った人形の魔物は、他の魔物より纏う雰囲気が違った。  おそらくはこの魔物こそが霊の世界のボス。  それを裏付けるように、秋音の長い髪がさらに伸びて降神姫を拘束した。 「なっ、この!? 炎で焼ききって、むぐぅ!?」  はなびが炎の力を発揮させようとすれば髪が口を猿轡のように塞いで集中を削ぎ。 「水よ。うあっ!?」  みなもが浄化の水を使おうとすれば今度は髪を目隠しのようにして視界を塞ぎ。 「んぐぅ!」 「ひゃう!」  また細く伸びたさらさらの髪は、降神姫たちの3つ豆や腋など性感帯をつついて刺激する。 「おねーさんがた、お人形さんみたいでかわいー」  くすくすと笑う秋音に降神姫の体は人形遊びのように弄ばれていた。  さらに、秋音は責めを進める。 「ほぅら、しゅりしゅり、しゅりしゅり」 「んぅぅぅ~~~!!」 「ふあああああ!!」  細い髪の毛が、しゅりしゅりと音を立てて、降神姫たちの3つ豆をこすりあげる。 「女の子の体なんて、弱いわよね」  トドメといわんばかりに、ぎゅっ、とつまみあげるように黒髪が突起を締め上げた。 「~~~~~っ!!」 「あううううううう!!」  身体をのけ反らせ、イき潮をぶちまける降神姫たち。 「お漏らしも、しちゃいましょーねー」  さらに、髪は器用に膀胱を刺激して、降神姫たちの排尿を促す。  とっとっと、とっとっと。  一定ペースの刺激が、すぐさま乙女のダムを決壊させた。 「ん、んぅぅぅ~~」 「あ、あぁぁ……」  じょろろろろろ。ちょろろろろ。 「あら? 青い方はもうお漏らし済みだったのね」  はなびの失禁に比べて、みなもはさきほどの戦いで漏らしていたため、勢いが弱い。  それをはなびに知られてみなもは恥ずかしくなってしまう。 「降神姫なんていっても、女の弱点を責めればちょろいものね」 (アグニ!) 「ティア」  秋音は強い。  だから降神姫たちは出し惜しみしないことにした。  神人格の顕現。  炎が秋音の髪を焼き、水が浄化する。 「それが、あったわねぇ!!」 「行くぞ」 「ええ」  静かな怒りを秘めた神たちが、秋音を襲う。 「はぁぁ!」 「こん...

降神姫アグニ14話 蠟燭と鞭

 ――どうしたんだ、はなび。らしくないじゃないか?―― 「うう、ごめん。ホラー苦手なのよ」 ――はなびは怖いものしらずだと思っていたがな―― 「ホラーは別枠! でも、怖がってばかりもいられないよね……」  ボウッ、とその空間に灯りが灯る。  蝋燭が浮いている。  どうやらあれも魔物のようだ。 「まだ怖いけど、やるわ」 ――その意気だ――  蝋燭魔物が、はなびにその火をぶつけるために迫る。 「ふっ!」  迫る蝋燭の先端を槍の穂先が霞めることでその火を鎮火。  はなびの槍捌きも確実に達人の域に達していた。 「よし、このまま一気に!」  ばしぃ! 「あああああああ!?」  蠟燭魔物を殲滅しようと動き出したはなびの背後から叩きつけるような衝撃。  それは、文字通り鞭だった。 「それ、幽霊なの!?」  疑問もあるが、なかなか厄介な布陣なことには変わりない。  ひゅんっと風切り音を立てての鞭の素早い攻撃。  注意のそれたところを蝋燭が迫る。  そして。 「あづああああああああああ!!」  蝋燭の一角がはなびの背中についに接触してしまった。  火の降神姫といえど、はなび自体は人間。  燃え盛る火を身体に浴びせられれば灼けるような苦痛が伴う。  そこにさらなる鞭うち。 「いだぁぁぁぁぁぁ!!」  鞭打ちの激しい痛みがはなびを襲う。  それも一度ではない。何度も、何度も鞭がはなびの背中を叩きつける。 「うぁっ、いだっ! あぅう!!」  そして鞭打ちの衝撃で振動する背中では、蠟燭の蠟がとけだして、じゅっ、とはなびの身を焦がす。  それはまるで拷問のようだった。  ぱぁん、とまた鞭が乾いた音を立ててはなびの身を穿つ。 「うあああああああああ!!」  そのたびはなびの口から身が削られたかのような絶叫が漏れ出る。 「はっ、はっ……」  苦悶の顔を浮かべるはなび。  しかし彼女の口角が、にやりと吊り上がった。 「反撃開始よ」  鞭の一撃。  しかしそれは盛大に空を切る。  そして次の瞬間には鞭は根本から切り裂かれていた。 「なんで、力の回復にあんなしんどい思いしなきゃいけないのかってのは置いといて」  はなびが槍を構える。  ボディスーツのエネルギーラインの赤い輝きは平常時よりも増していた。  火の降神姫であるアグニは、炎系の攻撃を受ければエネルギーが回復するのだ。  そのエネルギーを...

降神姫アグニ13話 ゴーストハンド

  とある廃工場。  人形のような無表情の少女がいた。 ――ジーンキ、退屈じゃない?―― 「うーちゃん」 ――ぼくはちょっと退屈だね―― 「じゃあ、ボクに入って暴れる?」 ――うんにゃ、この退屈があるからこそ面白い時間がもっと面白くなるんだよ―― 「そういうものなんだ」 ――そーいうもの。ジンキも趣というものを理解できるようになりたまえ~―― 「ボクにはよくわからない」 ――……いつか、わかるといーね~――  闇の降神姫たちにも絆はある。  それが例え歪な形をしていたとしても。  火と水の降神姫たちは最後の世界に降り立った。  いかにもな雰囲気を漂わせる洋風のお屋敷こそ、霊の世界。 「う~、なんか出そう……ひゃあっ!?」  少し怯えているようなはなびの背中をつんっとみなもがつついた。 「み、みなも!」 「はなび、ホラー苦手だもんね。大丈夫? おトイレ一人で行ける?」 「おかーさんか!」 ――この光景にもだいぶ慣れてきたな―― ――ええ、微笑ましいです――  喧嘩のような漫才も、仲がいいからこそできること。  ふれあいの中でアグニとティアも、はなびとみなもの関係性を理解していったのだ。  そんな騒がしいやりとりの中、ぼうっと屋敷の中に炎の塊、いわゆる火の玉が現れる。 「ぎゃあああ! おばけ!!」 「ちょっ、はなび!?」  ホラーが苦手すぎるはなびが、霊的な火の玉を見て反射的に逃げ出してしまったようだった。 ――追いましょう!―― 「そうしたいけど、そうもいかなそう」  はなびを追いかけたいみなもの行く手を阻むように数多の人間の手のようなものが立ちふさがる。 「はなびなら大丈夫。それはそれとしておせっきょーはしないといけないけどね」 ――ふふ、そうですね――  みなもは、ハンマーを構えた。 「せやっ」  霊体のようなものにはハンマーのような物理的なものは効果がないように思える。  しかし降神姫ティアは浄化の水を扱える。  ハンマーを振るうことで出る水の壁が、向かってくる霊手を次から次へと浄化する。  順調にことを運ぶみなもだが、向こうもただの考えなしではない。  陣形をみなもを囲むように変えて、みなもの気を逸らす。 「む。こうなったら円状でまとめて……」  みなもが次のプランを立て、実行しようとしている時だった。  パン!  霊手の内2つが重なりあって音を鳴らす...

降神姫アグニ12話 アリクイ

 「み……なも?」  同じようにみなもも拘束されているようだ。 「む、起きたようですな」 「なに、これならろくに抵抗もできますまい」  下卑た視線を降神姫たちに送るのは、アリクイのような魔物。 「あぅっ!?」  胸の突起の方にはなびは刺激を感じた。  視線をそちらに映すと、そこには小さなアリの姿。 「ひっ!?」  乳首のものだけではない。  はなびの体にまばらに生きたままアリが這っていたのだ。 「あんたたちは……」 「おや、女体が喋りましたな」 「こちらの女体は気が強いですな」 「こちらのって……、あんたたちみなもに、ひぃん!?」  言葉を遮るように、アリクイがはなびの体についたアリを舐めとり捕食した。 「んー、これこれ。女の液のついたアリはたまりませんなぁ」 「特にそれが降神姫の魔力つきともなれば文句の言いようもありますまい」 「ふっくぅぅ!?」 「こちらの娘は無表情ながら感度良好。ギャップというやつですかな」  はなびの隣で、みなもも同じようにアリを身体に這わされそれをアリクイの長い舌で舐め取られている。 「この、みなもに、手をっ! はぅ!!」 「はな……び。はなびに手を出さないで……」 「うーん、麗しい友情ですな。まぁ、我々はどちらも手を出すんですがね」  はははははは、と下品なアリクイ魔物たちの笑いがあたりに響く。  不意打ちで降神姫たちを気絶させたことでいい気になったアリクイ魔物たちは、あろうことかその体でアリの女体盛りパーティを開いていたのだ。  アリが這うもぞもぞとした感覚。アリクイの唾液まみれの舌に舐めとられる感覚。そのどれもがはなびとみなもの嫌悪感を煽った。 「さて、そろそろメインディッシュといきますかな」 「やはり、あれですな」  アリクイたちが指でアリをつまんで配置したのは、はなびとみなもの股間。その陰核。  落とされたアリは、かぷりとその陰核にかみついた。 「くひぃぃぃぃぃぃ!?」 「っ~~~~~~!!」  少女降神姫たちは同時に悲鳴を上げる。  そして、その悲鳴を肴にしながら、陰核についたアリを、アリクイの舌が舐めとった。 (やだ、やだやだやだ気持ち悪い。助けて、助けてぇ)  純粋な嫌悪感が積み重なって普段は強気なはなびも思わず助けを求めてしまう。  その声を聞き届けるものは、二人。 (ああ、任せろはなび) (みなもも、代わります!...

降神姫アグニ11話 サソリ

 「みなもちゃんも、いっちゃうよ」  ハンマーを構え、サソリ魔物に向かうみなも。  以前よりも増したスピードが、さらに磨きのかかったパワーがサソリ型魔物を一気に叩き潰す。 「まだいるんだよねー、たいへん」  一体を倒してもみなもは油断しない。  弱い魔物は群れを成す。そういうもの。  だから、追加の十数体に取り囲まれても、水のように冷静な思考で宙を飛ぶ。  頭の悪いサソリ魔物はみなもの着地点へと集まり、その身を固める。  それはみなもにとって絶好の的だった。 「ティア、スタンプ」  水流に勢いを増したハンマーが一か所に集まったサソリたちを一網打尽にし、砂埃を舞散らせる。  着地の反動でついていた膝を立ててむくりと起き上がるみなもは、無表情な顔の横でやかましいピースサインをした。 「ぶい」  魔物を多く倒したことで、みなもの思考に隙が生まれる。  悪辣な魔物はそこを見逃さない。  ぶすり、とみなもの足を鋭い痛みが刺した。 「うぐ……!?」  その瞬間から、みなもの体にこわばるような感覚が走る。 「さそり……どく……」  サソリの尾から連想されるのはやはり毒。  このサソリ魔物が持つ毒は麻痺性の毒のようだ。  さらに麻痺でこわばったみなもの体に、複数のサソリがハサミで食らいついた。 「つぅっ!!」  悲鳴すら、上手く出せない。  そんな中で万力のようなハサミで締めあげられるような痛みがみなもの体中で主を蝕む。 (あれ、間に合わせる)  それでもあきらめないみなもはとある技の準備をする。  そんなみなもの目論見を知ってか、サソリはまた、棘尾をみなもの足に突き刺した。 「~~~~っ!!」  足がガクガクと震える。今にも膝をついてしまいそうになる。  それでもみなもは耐え続ける。 (しゅう……ちゅう……!)  痛みや痺れに耐えて、そしてついにみなもはそれを発動させた。  それは水の持つ癒しのイメージの具現化。同時に浄化のイメージも具現化させる。  癒しのイメージはみなもの体に回った毒を癒し、浄化のイメージはサソリたちを泡のように溶けさせていく。  これが降神姫ティアとしてのみなもの新たな技だった。 「ふぅ……ふぅ……」  息を整えるみなも。  強大な技は効果がある分消耗も激しい。  襲撃者はその隙を見逃さない。 「うぐっ!?」  みなもの首筋に巻き付くなにか。  それ...